2017年5月24日水曜日

TVCMの仕事。“CD”

CD(クリエイティブディレクター)


クリエイティブ(広告表現)全てを統括する責任者。

クライアントからの意向を正確に踏まえて効果的な広告表現を模索し提案し具現化するまでの全てのクオリティを管理し責任を負います。

CMディレクターとは違い、広告表現の全体像をディレクションします。受注、企画提案、制作、完成まで営業と共に全てに携わります。

コピーライターやアートディレクター等、クリエイティブの経験を積みこのポジションに就く場合が多いですね。多くの部署やスタッフを取りまとめる棟梁的存在です。

TVCMの仕事。“営業”

営業(アカウントエグゼクティブ)


クライアント(広告主)の窓口となり広告事案に関する様々な要望を受け予算を管理し、マーケティング、クリエイティブなど各部署と企画を練り、どのように広告戦略を展開していくのか提案します。

クライアントとの信頼関係と実力によっては全てを取り仕切るキーマンとなります。

ほぼ、この部署からの情報で以下全てのスタッフが動くためクライアントの意向を正確にそして的確に把握している必要があります。

CM制作がスムーズに進行し最高の結果をもたらすか否かのまさにキーマンと言えるでしょう。

おそらく広告業界唯一常にスーツを身にまとうポジションかもしれません。
業界の社会的信用度を保つの最後の砦かも。

2017年5月20日土曜日

合成っぽい。“カメラワークの不一致”

合成素材同士のカメラワークが合わないとき。

揺れている背景なのに合成された人物などは止まっていたり揺れが合わなかったり、一体感が無いと合成がバレます。

基本的に合成用の素材を撮影するとき、カメラはFIX(固定)が望ましいです。
手ぶれ感や若干ズーム等が欲しい場合は、まずはFIXで撮影し、合成後に動きを追加したほうが全体の仕上がりは良いでしょう。かなり動かしたい場合は高解像度(4K=横4000ピクセル程度の解像度)などで撮影し、アングルはゆるめに少し引いた画にしておく事が肝要です。


背景。

背景に合わせてFIXで人物のクロマキー素材を撮影。


編集室で画を動かす時には、フレーム内に画が足りなくなる事を防ぐためにブローアップする必要があるからです。

合成後、赤い矢印の、のりしろ分動かせる。




一方、
やはりどうしても演出上現場で動かしたいときは全素材動きを合わせる必要があります。

一番高額なのはモーションコントロールカメラを使う方法です。
合成する各素材を毎回同じカメラワークで撮影します。
コンピューターでモーターの制御を行いプログラム通りにカメラを動かします。

プログラムを打ち込むのに時間がかかりますが、一度決めれば何度でも同じ動きができるので、被写体を入れ替えたりテイクを重ねても大丈夫です。リアルに近い合成が望めます。

ただしあまり激しい動きや細かい動きは制御しきれないかもしれません。ちょっとCGっぽいカメラワークになりがちなのも難点です。

しかしカメラワークにダイナミックさや複雑な構成を要するときは、使うべきかもしれません。



また予算の都合でモーションコントロールカメラが使えない場合(実はこの場合が殆ど)は撮影現場にオフライン用の編集ソフトなどを持ち込み直接カメラから素材を取り込み、仮合成して動きの確認をとりながら撮影します。

これも時間がかかりますが、スタッフ全員が具体的にどうなるかを把握できるため、解決策や演出の変更など建設的に物事が進むメリットがあります。

背景が遠景だったりする時はカメラ移動によるパースの変化も影響しづらいのでクロマキーなどバックにターゲット(動きを検知するための目印)を置きそれを参考に後処理で背景をトラッキングする手もあります。

どんな方法で撮るにせよ、カメラワーク感のある合成をする時は、合成素材の一体感がないとチープな画になってしまうので注意しましょう。



2017年5月18日木曜日

トラッキング。

動いているものに合わせて合成などをするときに使う技術で、現場ではよく”追っかけ”と言われています。

もともとはミサイルなどの軍事技術で画像解析型の追尾機能からの転用でした。

今から20年ほど前にこの技術がハイエンドのノンリニア編集機にも導入されました。
それまでは1コマ1コマ手動で合わせていましたが、この技術により合成の精度が飛躍的に伸びました。

画像の特徴点(明暗や形のわかりやすい部分)を設定し、その部分を1フレーム毎に検出し、どこに移動したかをX(横方向)Y(縦方向)Z(奥行き)の座標軸上の数値で記録します。

1点ではXYポジション、2点でXYポジション、Z軸回転とスケールという様にそのポイントがどの様に動いたかを軸に展開します。

また、4点のポイントをトラッキングして看板やナンバープレートなどを入れ替えることもできます。

例えば自動車の走行シーン。
ナンバープレートの4隅をトラッキングします。
トラッキングデータを別のプレートの4隅に置き換えます。


その応用でスタビライズ、いわゆる手振れ補正も可能になりました。
移動した分の逆の数値を当てることで止まるということです。
X=0、Y=0の位置からX=10、Y=10動いたらXYそれぞれに-10当ててやると元のX=0、Y=0の位置に止まるという様に。

さらに多数ポイントをトラッキングして3D空間を解析することもできます。
これにより3DのCGなどの合成精度も飛躍的に向上しました。

今や映像作品にはなくてはならない技術になっています。

2017年5月17日水曜日

ハメ込み合成。

アプリ系のCMはもちろんのこと小道具としてもよく登場するスマートフォン。

実機と実際の画像を使い、輝度をあげて撮影した場合はそのまま使っても遜色ないこともあります。

しかし、画像が撮影時にまだ決まっていないなどの場合はハメ込み合成が必要になります。

まず、撮影時にスマホの傾きや動きをトラッキング(いわゆる追っかけ)するためにフレームの4隅にポイントを置きます。
白い枠の機種ならば黒い画面との角で追いかけることも可能です。

そして4隅が切れない様にカメラアングル内に収めておく事が、トラッキングの精度のために重要です。
もっとアップにしたい場合は高解像度で撮影し合成後ブローアップ(=拡大)しましょう。
画面の4隅にポイントを置く。
枠がわかる場合はポイントは必要ない。
写り込みの質は若干下がるが、
後に合成する画像の近似色にしておくのも良い。
枠の4隅がわかればポイントを置く必要もない。
写り込みをそのまま活かしたい場合は4隅のポイントも一緒に残ってしまうので後で消す(ゴマかす)作業が必要になります。
4隅のポイントを消す必要がある。

ポイントが必要ない場合はそのままでOK。


演出上問題がなければ、枠がわかりやすい色にした方が良いでしょう。

スマホはテレビ画面と違い、手持ちなので細かく3次元的に動きます。
トラッキングの精度次第で、合成っぽさが意外と出るカットなので注意が必要です。



2017年5月15日月曜日

ハーディングテスト。

光過敏性発作になりやすい映像かどうかを機械的に判断するという代物。

もう20年になるんですね。
黄色いかわいいネズミの怪物が”※アニメ番組上の演出”で巻き起こされた社会騒動が、ことの発端ではあります。


例えば、
バイク走行中の並走カットでライダーのバストショットを捉えた映像があったとして
暗めの背景に明るい色の電柱や看板が速いスピードで1秒間に3回ほど横切ったとしましょう。

多分このカットが引っかかり、これ一発で丹精込めた完パケを局から突っ返されることになると思います。

光過敏性発作というものを知り、ハーディングテストも参考にしつつその都度それに留意して映像を制作するってのが本当の対処だと思います。

確かに主観によるものが大きいので客観的に機械的にする方が楽なのもわかりますが。

もうこの問題は対応済みにしてしまったのかその後の改定策もなく、はや20年。
物事の解決策、もうちょっと柔軟性が欲しいものです。

未だに光過敏性発作に過敏になります。

2017年5月13日土曜日

お菓子。

お菓子の盛り合わせ、ズラリと並んだドリンク類。

色々な現場で制作の方たちが朝早くから両腕をパンパンにさせて汗だくで買ってきてくださいます。

とてもありがたい!本当に有り難いことです。
でも、つまらない。贅沢言ってごめんなさい!!

でも、「義務感」がみえます、みえます。

もともとそんなアメニティ?は義務から始めたものではなく、

長時間スタッフを拘束するのだから少しでも快適に仕事してもらいたいという気遣い
から始めたものです。

それは持て成す心です。

   でも先輩が準備しとけっていうんですもん。

…ですよねぇ
用意してあって当たり前になってしまった昨今、
なかなか持て成す気持ちなんて芽生えませんが。

せっかくの労力、意味あるものに昇華させた方が得です。

今日は暑いからこんなモノにしてみました、とか
風邪が流行っているのでビタミンC的なもの用意しました、とか
花粉にはヨーグルトがいいみたいですよ、とか…。

これスタッフやクライアントのこと考えながら用意してくれたんだなぁが無いとせっかく準備して頂いても勿体無いです、なんか。

プレゼントを用意する感覚、持て成す気持ちが見えた時、その効果たるやみんなその人が
大好きになっちゃいます。

費用対効果ぱないです。ゲンキンですね人って。

意外と現場あるある

2017年5月10日水曜日

肌修正など。

撮影後、オフライン(仮編集)をチェックしオンライン(本編集)作業に入るわけですが、その時に出演者の肌修正を行うことが増えてきました。

CMが主流で、ドラマなどは殆どなかったのですが、最近はDVDやBlu-ray化などの為、先行で修正作業も増えてきたようです。

1回のオンエアでは気にならなくとも、ソフト化されると細かく何度も見られることを想定しているのでしょう。

後処理の肌修正は、ヘアメイクとは違い本人不在の場所で行われることがほとんどです。
そして監督や制作部などの立会いのもと、エディターが行います。

目の下のクマや、目尻などのシワ、ホウレイ線、ホクロやニキビ、鼻毛、様々な部分を消したり、ボディーライン、あごの形状、歯の色、眼の充血を抑えたり。

本来ならば万全の状態で撮影に臨むのが出演者としての責務だと思いますが、何らかの理由で修正が必要ならば、芸能プロダクション主体でちゃんと別枠として修正依頼をした方が良いと思います。

芸能プロにとって所属タレントの容姿はまさに重要な商品ファクターなのですから。


肌修正やシルエット補正の手法としては数々あります。ボカシ、ノイズ消し用のフィルターの組み合わせ、別肌テクスチャの移植、ワーピング(画像を歪ませる手法)etc...。

しかし安易にしてしまうとバレる修正になってしまいます。特に顔は一番注目する部位なので不自然さには敏感に感じてしまいます。

また、スチル(写真)は高解像度の修正が求められますが、静止しているのでそのアングルのみを考えれば良いのに対し、ムービーは動くので連続性も踏まえての修正が必要になり、難易度が高くなります。

顔の構造や筋肉の動き、本人らしさなど見極められる、いわゆるセンスが必要なのです。


2017年5月8日月曜日

ソソルCM。

例えば、食べる。

本能的な欲望。
”おいしそう”の定義は人それぞれですが結局食すという行為は本能です。

お行儀よく食べるのは人前でのマナーとしては必要ですが、食欲がそそられる光景には少し程遠い気がします。
多少は口元を汚しながらがっつく、むさぼり食らう。反感を持つ人もいるでしょうが食欲をそそられる人も多いようです。

そういったがっつく食品のCMを流すとクレームの数も多いようですが、それ以上に売り上げが伸びるそうです。

いちいちクレームにヒヤヒヤするのではなく、広告主と広告代理店、制作プロダクション、CMディレクター以下スタッフが一丸となって信じた方法で商品の『売り』を主張する。

とてもシンプルだからササル。

…こともあると思います。

人の視覚。

撮影や、合成、画像加工などのときに人の視覚の特性を知っていることはとても重要なことです。演出意図に沿った効果的な画作りや色の構成に役立ちます。

人の視覚は、色を感知する錐体(スイタイ)と明るさを感知する桿体(カンタイ)という2種類の機能を持つ視覚細胞で光を認識しています。

光量が十分にある時は錐体が活発に活動し、薄暗い時は主に桿体で光を捉えます。
薄暗いと色がよくわからないのはその為です。

しかも錐体は赤、緑、青、それぞれの色にのみ感知する3種類しかありません。

たった3色分の錐体細胞であらゆる色を感知し得る非常に優秀な構造だと思います。

”光の3原色”
これは人の色覚の構造をあらわしています。赤(R)、緑(G)、青(B)の3種類の光でフルカラーを表現出来るというものです。

例えば、
黄色い波長の光は赤と緑の中間の波長なので、赤担当の錐体と緑担当の錐体がそれぞれ反応します。そのパターンの信号を受けた脳はそれを黄色と感じるのです。緑と青の錐体だとシアンブルー(青緑色)に感じます。
3種の錐体がどの様に刺激を感じるかで、脳内で色を構成しているのです。

その視覚の特徴を利用したのがテレビなどの映像機器の画面の構造です。

拡大鏡で画面を見てみるとびっしりと配列されたRGBの発光が確認できると思います。
このRGB各々の発光量を調整することで色を表現し画像を構成しています。

例えばRとGを同程度の明るさで、Bを消して黄色を表現する。RGB全て発光して白、逆に全て消して黒、という具合です。


よく見るこの図。
画面を拡大するとこの様なRGBの配列が発光しています。
最近の画面は高精細なので、かなり拡大しないと確認するのは難しいかもしれません。



人は色の差分認識が明暗の差分認識よりも鈍感にできていると言われています。
おそらく色よりも明暗差の認識の方が人類が生き残るのに重要だったのでしょう。

同じ輝度の色(モノクロにしたときに同じように見える明るさ)ならば、色の境界はそれほどシビアでなくとも気になりません。
モノの形を認識しているのは明暗差だからです。鉛筆デッサンだけで充分形を認識できるのです。

そのことを知っているだけでも画像を加工する時に気をつけるべき点がわかってきます。




2017年5月5日金曜日

合成っぽい。“不自然なエッジ”

輪郭が自然では無いとき。

目立つのは頭部。
ショート系やパーマの毛髪など単調では無い輪郭は合成でバレやすい部分です。
柔らかく動きもあり細かい隙間でグリーンバックなどがジラジラ見え隠れ…。
ここをなるべく毛を先端まで失うことなく柔らかく合成すると自然な仕上がりになります。

頭頂部のみですが細かく書いてみました。

上の画の頭頂部を拡大したもの汚れやつなぎ目を消そうとすると、
毛先などの部分も一緒に消えてしまいそうだ。
そんな繊細な部分を合成するときにバックのグリーンなどが汚かったりサイズが足りなくて2枚使いの境目だったりすると、これは毛なの?、汚れなの?、境目なの?ってことになり自然な仕上がりへの道のりは険しく遠くなっていきます。

バックが均一グリーンの方が繊細な部分も検出しやすい。
この様に毛先などの細い部分はもともとバックに溶け込みやすい為、できるだけ損失しないように均一のバックを心掛けたいものです。


ブレて撮影されている状態。
そして意外と盲点なのが輪郭のボケや、早い動きでブレた場合。
輪郭とグリーンバックなどがエッジと混ざってしまい非常に抜きづらい素材となってしまいます。※イラストは、理解を深める為に意図的に分かりやすくしてあります。 
ブレた部分のグリーンが抜けきらず残ってしまっている。

画止まり良く撮影できた状態。

同じ抜き方でもグリーンが綺麗に抜けている。

この様な事態を避けるためには、
カメラマンの横に何気なく近寄り、『これはクロマキー素材なのでパンフォーカスめでお願いします』や、『画止まり重視でシャッターキリメデお願いします』、『HSで撮影してください』と言いながら土下座すると快諾してくれると思います。

もしくは、

『だから照明やカメラ機材ケチるなと言っただろ』って怒られます。
照明ケチったから光量が足りなくアイリス絞れないし(=絞ると手前から奥までピントが合いやすいが光が入ってこなくなり光量が多く必要)、シャッターも切れない(切るとシャッターが開いている時間が短くなり画がブレ(モーションブラー=被写体ブレ)にくくなるが光が入ってくる時間も短くなり光量が多く必要)、カメラ機材ケチったから明るいレンズじゃないし、HS(ハイスピード撮影=撮影駒数を増やすことでブレを軽減)も撮れない。撮像素子も低性能で…あーたらこーたら。

クロマキー合成の時は内容を見極めて機材選びを。
当初機材費は抑えても、仕上げで大オーバーする事もしばしば。

お金は使うべきところに使わないとかえってあとで嵩みます。

ブレやボケは後で加工できます。もちろん実際撮影したモノの方がクオリティは高いです。

しかし、合成する以上まずクリアするべきは合成のクオリティだと思います。