照明技師は
演出コンテを元にカメラマンや美術スタッフ、時には仕上げのエディター等と連携して、照明規模などを算出し、照明機材の選択、助手の人数、照明プランを組み立てる技師です。映像を作り込むというより光と影で世界観を作るといった方が近い感じでしょうか。
予算によってはクロマキーのバックなども合わせて準備することもあります。
「合成っぽい。“光の不一致”」でも書きましたが、別撮り(主にロケ)で撮影した素材の再現には経験とセンスが問われる重要なスタッフです。
照明チーフは
技師の意向に合わせて10名(規模によってはそれ以上)の助手を統括し、電源の取り回し、フィルターや各種照明の配置を指示します。撮影によってはかなり大掛かりになり、危険な作業を伴うため、効率よく安全に照明助手の作業段取りを組み立てる能力が必要です。
照明助手は
照明チーフの指示通りにスタジオ内のあらゆる足場(例えば、二重=天井下に張られた照明用の足場)に照明機材を設置したり、ライトの調整を行います。
照明機材はかなり重く熱く、しかも電源も取り扱うため大変危険を伴います。ライトを点けると二重などの足場は40度を軽く超える温度になります。TVCMの仕事の中でもっともガテン系の屈強なスタッフ達です。現場では誰よりも早くセッティングを始め、誰よりも遅くまで撤収にかかる、本当に大変な仕事です。
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?な名前の機材たち |
代表的なものをいくつか。
イントレ
カメラや照明など高い位置からのアプローチが必要な時に組む足場。
映画「イントレランス」が語源ですが、
・俯瞰の代名詞的映画だから。
・初めてこのような足場が組まれた映画だから。
・”イントレランス”の和訳が”不寛容”=俯瞰用から。
諸説あります。
センチュリー(スタンド)
照明機材用の三脚スタンド。
不整地スタンドとも呼ばれ、平地ではなくても垂直に立てられ、
接続部の形状により斜め等自由に組めるのが重宝されるスタンド。
Matthews Studio Equipment, Inc.の登録商標が現場で一般に使われるようになりました。ホッチキスやセロテープ的な。
カポック
発泡スチロール製のレフ板。
語源は謎です。軽い発泡スチロール=軽い綿のような繊維=パンヤ=カポックという感じでしょうか。
白や黒いモノもあり、軽く、簡単にカッターで切れるため、様々な用途に使える。
徹夜撮影の時は床に敷いて寝たこともあります(笑)
徹夜撮影の時は床に敷いて寝たこともあります(笑)