2017年5月5日金曜日

合成っぽい。“不自然なエッジ”

輪郭が自然では無いとき。

目立つのは頭部。
ショート系やパーマの毛髪など単調では無い輪郭は合成でバレやすい部分です。
柔らかく動きもあり細かい隙間でグリーンバックなどがジラジラ見え隠れ…。
ここをなるべく毛を先端まで失うことなく柔らかく合成すると自然な仕上がりになります。

頭頂部のみですが細かく書いてみました。

上の画の頭頂部を拡大したもの汚れやつなぎ目を消そうとすると、
毛先などの部分も一緒に消えてしまいそうだ。
そんな繊細な部分を合成するときにバックのグリーンなどが汚かったりサイズが足りなくて2枚使いの境目だったりすると、これは毛なの?、汚れなの?、境目なの?ってことになり自然な仕上がりへの道のりは険しく遠くなっていきます。

バックが均一グリーンの方が繊細な部分も検出しやすい。
この様に毛先などの細い部分はもともとバックに溶け込みやすい為、できるだけ損失しないように均一のバックを心掛けたいものです。


ブレて撮影されている状態。
そして意外と盲点なのが輪郭のボケや、早い動きでブレた場合。
輪郭とグリーンバックなどがエッジと混ざってしまい非常に抜きづらい素材となってしまいます。※イラストは、理解を深める為に意図的に分かりやすくしてあります。 
ブレた部分のグリーンが抜けきらず残ってしまっている。

画止まり良く撮影できた状態。

同じ抜き方でもグリーンが綺麗に抜けている。

この様な事態を避けるためには、
カメラマンの横に何気なく近寄り、『これはクロマキー素材なのでパンフォーカスめでお願いします』や、『画止まり重視でシャッターキリメデお願いします』、『HSで撮影してください』と言いながら土下座すると快諾してくれると思います。

もしくは、

『だから照明やカメラ機材ケチるなと言っただろ』って怒られます。
照明ケチったから光量が足りなくアイリス絞れないし(=絞ると手前から奥までピントが合いやすいが光が入ってこなくなり光量が多く必要)、シャッターも切れない(切るとシャッターが開いている時間が短くなり画がブレ(モーションブラー=被写体ブレ)にくくなるが光が入ってくる時間も短くなり光量が多く必要)、カメラ機材ケチったから明るいレンズじゃないし、HS(ハイスピード撮影=撮影駒数を増やすことでブレを軽減)も撮れない。撮像素子も低性能で…あーたらこーたら。

クロマキー合成の時は内容を見極めて機材選びを。
当初機材費は抑えても、仕上げで大オーバーする事もしばしば。

お金は使うべきところに使わないとかえってあとで嵩みます。

ブレやボケは後で加工できます。もちろん実際撮影したモノの方がクオリティは高いです。

しかし、合成する以上まずクリアするべきは合成のクオリティだと思います。