もともとはミサイルなどの軍事技術で画像解析型の追尾機能からの転用でした。
今から20年ほど前にこの技術がハイエンドのノンリニア編集機にも導入されました。
それまでは1コマ1コマ手動で合わせていましたが、この技術により合成の精度が飛躍的に伸びました。
画像の特徴点(明暗や形のわかりやすい部分)を設定し、その部分を1フレーム毎に検出し、どこに移動したかをX(横方向)Y(縦方向)Z(奥行き)の座標軸上の数値で記録します。
1点ではXYポジション、2点でXYポジション、Z軸回転とスケールという様にそのポイントがどの様に動いたかを軸に展開します。
また、4点のポイントをトラッキングして看板やナンバープレートなどを入れ替えることもできます。
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例えば自動車の走行シーン。 |
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ナンバープレートの4隅をトラッキングします。 |
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トラッキングデータを別のプレートの4隅に置き換えます。 |
移動した分の逆の数値を当てることで止まるということです。
X=0、Y=0の位置からX=10、Y=10動いたらXYそれぞれに-10当ててやると元のX=0、Y=0の位置に止まるという様に。
さらに多数ポイントをトラッキングして3D空間を解析することもできます。
これにより3DのCGなどの合成精度も飛躍的に向上しました。
今や映像作品にはなくてはならない技術になっています。