2017年5月10日水曜日

肌修正など。

撮影後、オフライン(仮編集)をチェックしオンライン(本編集)作業に入るわけですが、その時に出演者の肌修正を行うことが増えてきました。

CMが主流で、ドラマなどは殆どなかったのですが、最近はDVDやBlu-ray化などの為、先行で修正作業も増えてきたようです。

1回のオンエアでは気にならなくとも、ソフト化されると細かく何度も見られることを想定しているのでしょう。

後処理の肌修正は、ヘアメイクとは違い本人不在の場所で行われることがほとんどです。
そして監督や制作部などの立会いのもと、エディターが行います。

目の下のクマや、目尻などのシワ、ホウレイ線、ホクロやニキビ、鼻毛、様々な部分を消したり、ボディーライン、あごの形状、歯の色、眼の充血を抑えたり。

本来ならば万全の状態で撮影に臨むのが出演者としての責務だと思いますが、何らかの理由で修正が必要ならば、芸能プロダクション主体でちゃんと別枠として修正依頼をした方が良いと思います。

芸能プロにとって所属タレントの容姿はまさに重要な商品ファクターなのですから。


肌修正やシルエット補正の手法としては数々あります。ボカシ、ノイズ消し用のフィルターの組み合わせ、別肌テクスチャの移植、ワーピング(画像を歪ませる手法)etc...。

しかし安易にしてしまうとバレる修正になってしまいます。特に顔は一番注目する部位なので不自然さには敏感に感じてしまいます。

また、スチル(写真)は高解像度の修正が求められますが、静止しているのでそのアングルのみを考えれば良いのに対し、ムービーは動くので連続性も踏まえての修正が必要になり、難易度が高くなります。

顔の構造や筋肉の動き、本人らしさなど見極められる、いわゆるセンスが必要なのです。