2017年5月20日土曜日

合成っぽい。“カメラワークの不一致”

合成素材同士のカメラワークが合わないとき。

揺れている背景なのに合成された人物などは止まっていたり揺れが合わなかったり、一体感が無いと合成がバレます。

基本的に合成用の素材を撮影するとき、カメラはFIX(固定)が望ましいです。
手ぶれ感や若干ズーム等が欲しい場合は、まずはFIXで撮影し、合成後に動きを追加したほうが全体の仕上がりは良いでしょう。かなり動かしたい場合は高解像度(4K=横4000ピクセル程度の解像度)などで撮影し、アングルはゆるめに少し引いた画にしておく事が肝要です。


背景。

背景に合わせてFIXで人物のクロマキー素材を撮影。


編集室で画を動かす時には、フレーム内に画が足りなくなる事を防ぐためにブローアップする必要があるからです。

合成後、赤い矢印の、のりしろ分動かせる。




一方、
やはりどうしても演出上現場で動かしたいときは全素材動きを合わせる必要があります。

一番高額なのはモーションコントロールカメラを使う方法です。
合成する各素材を毎回同じカメラワークで撮影します。
コンピューターでモーターの制御を行いプログラム通りにカメラを動かします。

プログラムを打ち込むのに時間がかかりますが、一度決めれば何度でも同じ動きができるので、被写体を入れ替えたりテイクを重ねても大丈夫です。リアルに近い合成が望めます。

ただしあまり激しい動きや細かい動きは制御しきれないかもしれません。ちょっとCGっぽいカメラワークになりがちなのも難点です。

しかしカメラワークにダイナミックさや複雑な構成を要するときは、使うべきかもしれません。



また予算の都合でモーションコントロールカメラが使えない場合(実はこの場合が殆ど)は撮影現場にオフライン用の編集ソフトなどを持ち込み直接カメラから素材を取り込み、仮合成して動きの確認をとりながら撮影します。

これも時間がかかりますが、スタッフ全員が具体的にどうなるかを把握できるため、解決策や演出の変更など建設的に物事が進むメリットがあります。

背景が遠景だったりする時はカメラ移動によるパースの変化も影響しづらいのでクロマキーなどバックにターゲット(動きを検知するための目印)を置きそれを参考に後処理で背景をトラッキングする手もあります。

どんな方法で撮るにせよ、カメラワーク感のある合成をする時は、合成素材の一体感がないとチープな画になってしまうので注意しましょう。



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