2017年6月22日木曜日

チーム。

お互いを信頼せず、各々の役割を全うせず、コーチの助言も聞かないチームは負けます。
何の話でしょう。

青臭い話です。

広告は水物です。
時代によって、その年によって、その日によっても消費者の反応は変わります。
流れを読む、流れを創りだせるプロに任せるのが良いのでしょうね。たぶん。

即効性のある広告、ジワジワと浸透する広告、一旦拒絶後、徐々に効果を発揮する広告、いろいろな戦略があるので一概には言えませんが、オンエア後、イマイチの結果で戦略的にも変えた方が良いと判断したならば、
その時こそは企画を練り直したり、スタッフを見直したり、総取っ替えしたりすればいいと思います。

プロフェッショナルは結果によってシビアに判断されるべきです。
しかしまずは、
コーチを信じて、一致団結、各々の役割を全うし、思いっきりやってみる。

やりきっているCMはやはり面白く、効果もあると思います。

同じ目標に向かってチーム一丸となって邁進しよう!
そんな古臭いスローガンをもう一度思い出した方が良いかもしれません。

CMは団体競技かも

2017年6月15日木曜日

TVCMの仕事。“照明技師・照明部”

現場での照明部は基本的に照明技師、照明チーフ、照明助手(10名ほど)で構成されます。

照明技師は
演出コンテを元にカメラマンや美術スタッフ、時には仕上げのエディター等と連携して、照明規模などを算出し、照明機材の選択、助手の人数、照明プランを組み立てる技師です。映像を作り込むというより光と影で世界観を作るといった方が近い感じでしょうか。
予算によってはクロマキーのバックなども合わせて準備することもあります。
合成っぽい。“光の不一致”」でも書きましたが、別撮り(主にロケ)で撮影した素材の再現には経験とセンスが問われる重要なスタッフです。

照明チーフは
技師の意向に合わせて10名(規模によってはそれ以上)の助手を統括し、電源の取り回し、フィルターや各種照明の配置を指示します。撮影によってはかなり大掛かりになり、危険な作業を伴うため、効率よく安全に照明助手の作業段取りを組み立てる能力が必要です。

照明助手は
照明チーフの指示通りにスタジオ内のあらゆる足場(例えば、二重=天井下に張られた照明用の足場)に照明機材を設置したり、ライトの調整を行います。
照明機材はかなり重く熱く、しかも電源も取り扱うため大変危険を伴います。ライトを点けると二重などの足場は40度を軽く超える温度になります。TVCMの仕事の中でもっともガテン系の屈強なスタッフ達です。現場では誰よりも早くセッティングを始め、誰よりも遅くまで撤収にかかる、本当に大変な仕事です。

?な名前の機材たち
照明機材にはちょっと?な名前の機材があります。
代表的なものをいくつか。

イントレ
カメラや照明など高い位置からのアプローチが必要な時に組む足場。
映画「イントレランス」が語源ですが、
・俯瞰の代名詞的映画だから。
・初めてこのような足場が組まれた映画だから。
・”イントレランス”の和訳が”不寛容”=俯瞰用から。
諸説あります。

センチュリー(スタンド)
照明機材用の三脚スタンド。
不整地スタンドとも呼ばれ、平地ではなくても垂直に立てられ、
接続部の形状により斜め等自由に組めるのが重宝されるスタンド。
Matthews Studio Equipment, Inc.の登録商標が現場で一般に使われるようになりました。ホッチキスやセロテープ的な。

カポック
発泡スチロール製のレフ板。
語源は謎です。軽い発泡スチロール=軽い綿のような繊維=パンヤ=カポックという感じでしょうか。
白や黒いモノもあり、軽く、簡単にカッターで切れるため、様々な用途に使える。
徹夜撮影の時は床に敷いて寝たこともあります(笑)

2017年6月9日金曜日

TVCMの仕事。“カメラマン・撮影部”

現場での撮影部は基本的にムービーカメラマン(撮影技師)、撮影チーフ、セカンド(+サード)の3〜4人体制で構成されます。

ムービーカメラマン(撮影技師)は
演出コンテを元にカメラ機材(レンズ他含む)の選択から照明、美術スタッフや、時にはCG部、仕上げのエディターなどと連携して映像に関わるあらゆる設定を指示し撮影をします。演出意図にあった画づくりの提案などを行うカメラマンもいます。
撮影後はカラーグレーディング(カラリストと共に映像のトーンや色調整)し、CMディレクターが望む映像を具現化します。

撮影チーフは
露出の計測、照明部との調整やカメラマンの意向に沿ったセッティングをする、最もカメラマンに近いアシスタントです。

セカンド(+サード)は
機材運搬から各機材のチェック、被写体までの距離の計測、フォーカス合わせ(ピントマン)、カメラ周りの雑用もします。


そういえば最近はあまり聞きませんが、スチールカメラマンがを”カメラマン”、ムービーカメラマンの事を”キャメラマン”と区別して呼称していましたね。

・・・

撮影もここ20年ほどで、
フィルム撮影時代から、ビデオテープ収録、さらにデータ収録へと変わってきました。

それに伴って、ラボ(現像所)のタイミング(フィルムのトーン、色を調整するスタッフ)も、カラリストとVE(ビデオ・エンジニア)に取って代わり、VEも今やDIT(デジタル・イメージング・テクニシャン)と呼ばれるスタッフへと変遷してきました。

スクリーンに映写するかテレビに映すしかなかった時代から、映像のカタチもフォーマットも多岐にわたり複雑化しています。
数々の用途に応じたカメラ機材と適したフォーマットの特徴、収録する技術、ノウハウが撮影部にも求められてきています。

カメラの高さ調整時に見る撮影部の一体感がなんか好きです。


2017年6月5日月曜日

TVCMの仕事。“CMディレクター”

CMディレクター(=監督)
TVCM実制作に於ける演出担当者。

企画をもとにTVCMを最も効果的に具現化する仕事です。
現代の風潮を読み、世の中受けする感覚を知っていなければ務まりません。

映像制作プロダクション所属の社内ディレクターやフリーランスのCMディレクターが主流ですが、映画監督やアニメ監督、ミュージックビデオの監督など様々な業種から抜擢される場合もあります。
しかし30秒、15秒というサイズに収めるには、職人技とも言える独特のセンスが必要であり、専門に演出しているCMディレクターの方が完成度に分があるケースが多いようです。

映画やアート系の映像作品と違い、広告の場合はあくまで商品や企業イメージを売る事が目的のため、演出に於ける思考の出発点はクライアント側にあります。

好感であれ共感であれ、一人でも多く視聴者を消費者に仕向ける計算と、巧みな演出ができるのが優秀なCMディレクターと言えます。

”ザ監督”

2017年6月2日金曜日

TVCMの仕事。“制作進行”

制作進行(=通称、制作=PM=プロダクションマネージャー)

その名の通り、CM制作を進行させる人。

プロデューサーの補佐をし、実行予算作成管理からスタッフの弁当手配まで制作全般のありとあらゆることを段取り仕切る仕事です。

CM制作部に配属された新人はまずこの仕事に就きます。
先輩の制作に付き、CM制作の”いろは”を学んでいきます。初めは雑用ばかりですが、実はこの雑用ぐらい”軽く”こなせないと優秀な制作にはなれません。”これ誰がやるの?”的なものもすべて制作の仕事なのです。

優秀な制作にはすべての情報が集まります。情報の把握とその交通整理、予算を管理し、軽く雑用もこなす。

まさにCM制作の要が制作進行なのです。

逆にその案件について、知らない事、もしくは知らされていない事がある制作さんは、まだまだ一人前ではないのかもしれません。